たった一匹の動物を保護したり救ったとしても、
大きな世界はすぐには変わらないかもしれません。
でも、保護された動物と保護した方、
それから里親で育てていかれる方々の世界観は大きくよき変化をしていかれます。
その行動は人と動物の小さな世界を素晴らしいものに変える力を持っています。
少し手を差し伸べること。
時間を共有すること。
相手の立場に立って考えること。
そんな小さなことから、あなたの世界が広がり始めるのです。
ある高校生の娘さんは、引きこもりになってしまった時期がありました。
心配したお母様が「犬を飼ってみたらどう?」と提案し、
あまり乗り気ではない娘さんを連れて里親募集の犬を見に行きました。
そこで、娘さんはひっそりと隅っこにいた小型犬に心惹かれました。
その小型犬はひどい環境で保護された子。何度も繁殖に使われ、
ほぼケージの中で過ごしてきたため、心も体も傷ついていました。
「慣れるのには時間がかかるかもしれません」と言われたものの、
娘さんはその小型犬の里親になりたいと熱心にお願いしました。
犬は長い間ケージに閉じ込められていたため、
足が不自由で散歩もままならない状態でしたが、
娘さんは根気強く世話をし、
優しく語りかけながら少しずつ信頼を築いていきました。
時間をかけて、犬は徐々に歩けるようになり、
家族にもすっかり懐くようになりました。
そして半年後、娘さんが「学校に行ってみようかな」と自然に思い始め、
少しずつ通学を再開しました。
環境に負けずに頑張った犬の姿が、娘さんの心を勇気づけてくれたのでしょう。
動物が苦手な方もいるかもしれませんが、
きっかけは動物に限らず、植物、景色、趣味や環境の変化などでも
心をほぐしてくれることもあります。
ペットを通じてしあわせが波紋のように広がって誰かが微笑むと、
それが次の人へ伝わり、さらに次の人へと繋がっていきます。
🍃
巡り合わせと、そのきっかけを大事にしながら、穏やかな日々を過ごせますように。

動物対話士 加藤あや